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オンプレミスからAWSへの移行方法を解説!移行のメリットと注意点も紹介

DX推進によりクラウドの導入が加速する中、サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、自社運用のオンプレミス環境から、AWSのようなクラウド環境へ移行する企業が増えています。 現に経済産業省は、2025年までにDXを実現できなかった場合、国内経済に年間12兆円の損失が発生するとの可能性を指摘しており、クラウド化は今が最後のチャンスともいえます。 

しかし、「オンプレミスからAWSへのシステム移行方法がわからない」「そもそも移行すべきか迷っている」と、移行に踏み切れずにお困りの経営者やシステム担当者の方も多いのではないでしょうか。 この記事では、オンプレミスからAWSへの移行方法と手順、移行のメリットや課題について解説します。 

出典:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開|経済産業省 

オンプレミスからAWSへの移行で知っておくべき基礎知識 

はじめに、オンプレミスからAWSなどのクラウド環境へ移行する上で、知っておくべき基礎知識について触れておきます。 基礎はご存じという方も、再確認の意味でご一読いただけますと幸いです。 

オンプレミス(オンプレ)とは 

オンプレミス(オンプレ)とは、ITシステムやデータセンターを企業自身が所有・管理する形態です。 オンプレミスでは、物理的なサーバーやネットワーク機器を自社の施設に設置し、データやアプリケーションの処理を行います。 自社内での管理によってセキュリティや制御性を高められる一方で、ハードウェアの購入や保守、拡張に伴うコストや労力が発生します。 

AWSとは 

AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームです。 世界中にデータセンターやサーバーファームを置き、インターネット経由で200種類以上の機能やサービスを提供しています。 AWSでは、仮想サーバー・データベース・ストレージ・アプリケーションなど、さまざまなITリソースをオンデマンドで利用できます。 

出典:AWS グローバルインフラストラクチャ 

クラウドとは 

クラウド(クラウド・コンピューティング)とは、クラウドベンダーが提供するITリソースをネットワーク経由で利用し、使用量や機能に応じて料金を支払う形態です。 自社でサーバーやOS、ソフトウェアを保有する必要がなく、インターネット環境があれば場所や端末を選ばず接続できます。 代表的なクラウドプロバイダーとして、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどがあげられます。 

オンプレミスとクラウドの違い 

オンプレミスとクラウドの違いを項目別に比較すると、次の通りです。 

比較項目  オンプレミス  クラウド 
導入しやすさ  × 

自社で構築する必要がある 

 

登録するだけで利用可能 

コスト   

初期費用がかかる 

 

従量課金制で使用を継続する限り費用が発生する 

カスタマイズ性   

自由にカスタマイズできる 

 

カスタマイズできる範囲が限られる 

拡張性  × 

機能や容量の追加にはコストと手間がかかる 

 

プランのアップグレードで簡単に拡張できる 

障害発生時   

自社での復旧対応が必要 

 

クラウドベンダー側の対応箇所もあり、負担が少ない 

オンプレミスでは自社ですべてのシステム構築・管理・保守を行うため、セキュリティレベルの設定や既存システムとの組み合わせに制限がなく、自由度は高めです。その分、人的リソースや初期費用がかかります。 一方、クラウドは登録するだけで利用でき、必要な機能や容量を使った分だけ支払う形態であるため、導入のしやすさや拡張性、コストの面で利点が多いです。 オンプレミスとクラウドは両者にメリットがあり、併用または移行することも可能です。 

AWSの特長とオンプレミスから移行するメリット 

オンプレミスからAWSへの移行を検討中の方向けに、移行する4つのメリットを、AWSの特長をふまえて解説します。 

グローバルレベルのクラウドサービスが利用できる 

AWSは世界中にデータセンターインフラを構築しており、多くの地域でサービスを提供しています。 オンプレミスからAWSへ移行することで、ユーザーは地理的な制約なく、グローバルレベルのクラウドサービスを利用できるようになり、高い可用性と通信速度の低遅延を実現できます。 

出典:AWS グローバルインフラストラクチャ 

セキュリティを強化できる 

AWSのセキュリティの強固さも大きな特徴です。AWSはクラウドに適したセキュリティ対策を実施し、多層的なセキュリティアーキテクチャを提供しています。セキュリティアーキテクチャとは、セキュリティを確保するための設計方針や思想、必要な仕組みを実現するためのフレームワークのことです。 

オンプレミスからAWSへの移行により、AWSのセキュリティサービスや機能を活用できるようになります。具体的には、データ暗号化・アクセス制御・不正アクティビティの監視などです。 AWSは専門のセキュリティチームによって365日24時間監視を行っており、最新の脅威や攻撃手法に対する防御策を迅速に実行しています。 

また、AWSはコンプライアンス基準を満たし、セキュリティ認証を取得しています。個人情報保護法や、金融業界の要件などの法的制約にも対応したセキュリティレベルを築いているため、移行することでセキュリティリスクの軽減につながるでしょう。 

出典:AWS コンプライアンスプログラム 

ランニングコストが安定的 

AWSでは初期費用がかからず、使用量や機能に応じた従量課金制を採用しています。 

オンプレミスの場合、初期費用や機能拡張時の追加費用など、費用が一時点に集中する傾向がありますが、オンプレミスからAWSへ移行することで、コストの削減と分散につながります。 さらに、AWSはサービス開始以来、129回以上の値下げを行っており、今後も安定した価格でのサービス提供が期待できます。 

出典:AWS の クラウドが選ばれる 10 の理由 

拡張性と機能改善が期待できる 

クラウドを活用する大きなメリットは、拡張性(スケーラビリティ)の高さです。オンプレミスからAWSへの移行により、ビジネスの成長や変化に合わせた機能拡張や定期的なアップデートを容易に行えるようになります。 AWSでは持続的に新しいサービスや機能を提供し、機能改善を行っています。自社で機能拡張を行うオンプレミスとは異なり、ベンダー側で自動更新を行うため、少ない労力で常に最新のテクノロジーを活用することが可能です。 

オンプレミスからAWSなどのクラウドへ移行する際の課題 

 

オンプレミスからAWSなどのクラウドへ移行する際の課題として、下記があげられます。 

  • 何から始めればよいかわからない 
  • 技術的な知識やスキルが不足している 
  • 時間や人員を割くことが難しい 

現行のシステムの規模にもよりますが、AWSへの移行は大規模なプロジェクトとなることが想定されます。 AWS移行に必要な専門知識やスキルを持った人材の確保や、関係各所との連携などが必要ですので、次章で解説している移行方法や手順を確認したうえで取り組みましょう。 知識やスキル、人員などリソースが不足している場合は、AWSが提供している「移行向けのアーキテクチャのベストプラクティス」を参考にすることや、移行に役立つサービスの活用も検討すると良いでしょう。 

オンプレミスからAWSへの移行方法と手順 

オンプレミスからAWSへの移行方法について、事前調査・計画・準備・実施とテストの4つのステップに分けて解説します。 

出典:移行向けのアーキテクチャのベストプラクティス|AWS 

事前調査 

移行前の現状を把握するために、まずは次の事前調査を行いましょう。 

  • 情報資産の棚卸し 
  • 移行対象の選定 
  • 実機調査 

現行のシステムとアプリケーションの棚卸しを行い、移行対象を選定する必要があります。 移行対象の選定では、システムの一部または全部を移行するかどうかの判定や、優先順位付けが重要です。業務や担当部署の観点で比較するほか、利用者が少なく影響度合の低いシステムから始めるのも良いでしょう。 また、設計書や構成図に反映されていないシステム変更が行われている可能性もあるため、実機の調査も欠かさず実施しましょう。 

計画 

事前調査の内容をふまえ、次のような移行の目的やゴールを設定しましょう。

  • なぜ移行するか 
  • 何をどこまで移行するか 
  • いつまでに移行を完了させるか 

設定したゴールをもとに、各システムの移行計画を立てていきます。移行対象システムの特性や依存関係に沿って、移行のスケジュールやタイミング、リソースの割り当てをプランニングしましょう。 

準備 

移行実施日までの準備として、次のような項目があげられます。 

  • データ移行の詳細を決める 
  • チェックリストをつくる 
  • 社内関係者や外部連携先との日程調整 
  • 担当者の連絡体制とフローを確認しておく 
  • 作業ステップをまとめておく 
  • AWSの環境構築 
  • 移行リハーサルの実施 

まず、データ移行の詳細を決め、データの転送方法や手順を決定しましょう。 移行のためのチェックリストを作成し、移行に必要なタスクや手順を整理しておくことで、作業のもれを防ぎ、進捗度合も把握しやすくなります。 社内関係者や外部連携先との日程調整を行い、移行作業の日程を調整することも大切です。担当者の連絡体制やフローを確認し、作業ステップをまとめておきましょう。 

移行に向けて、AWSのアカウントの作成と、CPUやメモリなどの組み合わせである「インスタンスタイプ」の選択、オプション設定などを行っておく必要があります。大規模な移行の場合はリハーサルを実施し、手順や環境の構築を確認しておくことで、スムーズな移行が可能になります。 

実施とテスト 

切り替え当日は、移行作業の実施と移行結果の検証を行います。 移行対象のデータやシステムをAWS環境へ移行し、正しく動作するかを確認しましょう。問題があれば修正し、システムの正常性とパフォーマンスを確保する必要があります。 移行実施の本番に向けて、次の項目も決めておくと良いでしょう。 

  • 移行作業時のイレギュラー対応 
  • 移行作業完了後のバックアップ体制 

オンプレミスからAWSへの移行時の注意点 

オンプレミスからAWSへの移行時には、下記の点に注意してください。 

  • 関係者との綿密なコミュニケーションを図る 
  • 予算に沿った計画をたてる 
  • 旧環境の廃棄を急がない 

システム移行時の不具合やトラブルが起きないよう、関係者とプロジェクトの目標や進捗を共有するなど連携を図りましょう。 また、移行にかかるコストを正確に把握したうえで予算を確保し、移行プロジェクトを適切に管理することも重要です。 万が一に備え、旧環境の廃棄を急がず、必要なデータや設定のバックアップも忘れずに行っておきましょう。移行後、正常に動作することが確認できた後で旧環境の廃棄を行うことで、リスクを最小限に抑えられます。 

まとめ 

オンプレミスからAWSへ移行することで、インターネット経由でクラウド上のサーバーやリソースを利用できるようになり、拡張性が向上します。 AWSはグローバルレベルのクラウド環境が使えるほか、セキュリティ対策されている、コストが安定的など、活用するメリットも多くあります。 AWSへのスムーズな移行には、事前調査・計画・準備・実施の手順で進めることが重要です。 

オンプレミスからAWSへの移行を成功させ、ビジネスのスケーラビリティや効率性を高めましょう。 

 

 

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