【Step1】AWSマネージドサービスの基礎知識

クラウドサーバーを使ったネットワーク構築のメリットとポイント

近年、業務のクラウド化が多くの領域で進んでいますが、中でもクラウドサーバーを使ったネットワーク構築は広く採用されつつあります。この記事では、そんなクラウドを活用したネットワーク構築のメリットや導入時のデメリット、クラウドを使ったネットワーク構築のポイントについて、解説します。

クラウドサーバーとは

クラウドサーバーは、自社にサーバーを設置せずインターネットを介してサーバー事業者が提供する遠隔地のサーバーを利用する方法です。レンタルサーバーとの違いは、サービス利用者のサーバーの使い方にあります。クラウドサーバーはレンタルサーバーのようにサーバーを物理的に借りるのではなく、サービスベンダーのサーバーの中に仮想サーバーを立ち上げ、それを運用します。

近年は開発環境の構築などにおいてもクラウドサーバーを立ち上げ、そこに仮想的な環境を整備する方法が多くの企業で採用されており、人気の高い手法と言えます。

クラウドサーバー活用のメリット

クラウドサーバーの活用は、主に

● サーバー導入コストを削減できる
● 常に必要量のリソースを確保できる
● BCP対策につながる

といったメリットにつながります。それぞれについて、詳しく解説します。

サーバー導入コストを削減できる

クラウドサーバーの導入は、従来のサーバー構築と比べて初期費用や維持管理費用などのコスト削減につながります。サーバーをオンプレミスで導入する場合は初期費用が高くつく上、自前で維持管理をしなければなりませんでした。しかしクラウドサーバーの場合、導入に際しての費用は月額や年額での従量課金制となる上、維持管理負担はベンダー側が担います。

予算に限りのある中小企業にとっては、クラウドサーバーの導入は頼りになるでしょう。

常に必要量のリソースを確保できる

クラウドサーバーの良いところは、常に必要な量のリソースを過不足なく確保できる点にもあります。
オンプレミスのサーバー導入だと、サーバーリソースが不足がある場合には追加導入が必要ですが、そのためにはまとまった予算が必要ですし、すぐに導入というわけにもいきません。
一方でクラウドサーバーの場合、現在契約しているリソースに不足を感じた際にはすぐに契約を更新し、リソースを追加導入することができます。

もちろん、繁忙期を過ぎてリソースに余剰が生まれた場合には、不要分を解約して常に必要最小限のリソースで運用し、コストがかさむ事態を回避可能です。

BCP対策につながる

クラウドサーバーへの移行は、BCP対策の面でも有効な施策です。BCP対策とはいわゆる被災時における業務継続性のことで、地震や津波、火事などで職場が被害を受けた場合、すぐに業務環境を復旧、あるいは未然に被害を回避できる環境の構築を指します。クラウドサーバーを導入すれば遠隔地のサーバーを利用することとなるため、例えオフィスが自然災害の影響を受けた場合でも、インターネット環境さえあればサーバーを従来通り利用でき、業務を継続することが可能です。

クラウド利用時のデメリット・課題

クラウドサーバーの活用は魅力的なメリットが揃いますが、一方で注意すべきデメリットもあります。

ネットワークの可用性の確保が必要

クラウドサーバーを使いこなす上では、社内のネットワーク環境が常に安定している必要があります。オンラインでのサーバー利用が標準化されるので、オフラインでは運用ができないものと考えなければなりません。インターネットが繋がったり繋がらなかったりすることが常態化している場合、早急に改善する必要があるでしょう。

ネットワーク負荷の増大に備えなければならない

安定したネットワーク環境に加え、ネットワーク速度が高速であることも重要です。サーバーのクラウド化で通信量は従来よりもはるかに大きくなるため、大規模な通信を行っても差し支えがないような回線の強化を進めておきましょう。

セキュリティ対策の徹底が必要

オンライン環境の整備に伴い、進めたいのがセキュリティ対策の強化です。近年はサイバー攻撃が増加しており、中小企業向けの攻撃も盛んに行われていますが、これは企業でDXが進み、デジタル化によって不正アクセスなどのきっかけが増えていることにも起因しています。業務のデジタル化は生産性向上に不可欠ですが、業務環境の整備に合わせて相応のセキュリティ投資も行いましょう。

クラウドを使ったネットワーク構築のポイント

クラウドサーバーを使ってネットワークを構築する場合、どのようなポイントを意識すべきなのでしょうか。ここでは意識すべき3つのポイントを解説します。

信頼できるベンダーを探す

クラウドサーバー導入の際には、クラウドベンダーの信頼性に注目しましょう。大手ベンダーであれば充実の機能やセキュリティ対策が期待できる一方、そうでない場合には自社に必要な機能が不足していたり、セキュリティ対策に不備がありサイバー攻撃を受けるリスクが高まる可能性もあります。

クラウドサーバー導入において活躍しているポピュラーな事業者としては、AWSやMicrosoft Azureなどが挙げられます。大手ベンダーを選ぶことで余計な導入リスクを回避できるため、積極的に採用を検討しましょう。

必要な要件をあらかじめまとめておく

事前に自社で必要とする機能要件をまとめておくと、導入を進めてからサービスの不備に気づくことがなくなるので、必ず押さえておきたいポイントと言えます。企業によって必要としている機能やリソース量は異なりますし、クラウドサービスによって料金体系も微妙に異なります。予算の範囲内でどんなサービスを利用可能か、事前に備えておきましょう。

一元管理ができる環境を構築する

クラウド環境を大規模に導入する場合、拠点間で運用プロセスにギャップが生まれることもあります。すると同じサービスを使用しているのに整合性が取れず、生産性に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。
クラウド環境を構築する際には全社的に一括管理ができる体制を整え、データ連携などに不備が生じないよう備えることが大切です。

クラウドネットワーク構築の手順

最後に、クラウド環境下におけるネットワーク構築の手順を紹介します。ネットワーク構築は、主に

1. ネットワーク構成図の作成
2. 必要リソースの計算
3. サーバーの構築

という順序で行います。ネットワーク構成図の作成を通じて、必要なサーバーやサーバーの接続方法を確認し、ネットワークを設計します。
続いて作成した構成図をもとに、必要なリソースを計算しましょう。どれくらいのリソースがあれば運用ができるか、構成図から逆算して導入が必要なマシンの種類や、プランの検討を進めます。リソースについての洗い出しが終わったら、実際に導入するクラウドベンダーを決定し、サーバーを構築します。クラウドサーバーの契約後、アカウントを作成してサービスにログインしながら、運用環境の整備に移ります。最低限の環境が整ったら、サーバー上で運用するソフトウェアの整備も進めます。サーバー構築を完了してもすぐに開発フェーズに移れるわけではないので、十分な時間を確保してネットワーク構築を進めることが大切です。

まとめ

この記事では、クラウドサーバー導入のメリットや、ネットワーク構築の際に検討したい課題点、クラウドネットワーク構築のポイントなどについてまとめました。クラウドサーバーを用いたネットワーク構築は、近年多くの企業が導入しているプロセスです。セキュリティ対策やネット環境の見直しは必要であるものの、導入後の生産性向上効果が非常に高いことから、積極的に採用したい仕組みと言えるでしょう。

自社に必要なリソースやネットワーク環境を確認したうえで、導入の検討をおすすめします。

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